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「森全体を楽しむための装置」としての小屋
この計画は軽井沢の別荘地の一画にある200坪ほどの敷地が対象となっている。
施主はここに小さな小屋を建てようと考えているが、それは単に「森の中の小屋」ではなく、「森全体を楽しむための装置」としての小屋である。ここでの小屋とは自然に対してのシェルターだけではない。施主はこの場所を一人でも複数でも、夏でも冬でも、晴れた日でも雨の日でも、四季を通じて森という空間そのものを味わう場所にしたいと考えている。計画は森の斜面に浮かぶ2枚のプレートが主題となっている。一つのプレートは筒状の内部空間を持ち、中央に諸機能を集めたコアのみがある。眺めは筒の口が向いた浅間山に向かってのみ大きく開き、後はランダムに空いたポツ窓だけである。このプレートは閉じることによって象徴的に森の気配を引き込む。もう一方のプレートは敷地の中の一番高いところに浮いており、そこには風呂、スタジオ、焚き火の穴、蚊帳の寝室などが点在している。2枚のプレートは「閉じる/開く」が反転しつつ、お互いに補完しながら森の生活を支える装置となる。ここでは森が一番大きな内部的空間である。人はその中に作られた更なる内部的/外部的装置によって、森との様々な遭遇を楽しみながら生活をすることができる。
大工さんがつくるハイブリッド構造
構造計画で求められたことは二つ、第一に森の傾斜から生活のための床を浮かび上がらせること、そしてシェルターとしての「筒」をなるべく軽快に経済的につくることである。
この構造は「筒」というだけあって、床、壁、屋根の区別がない。通常の建物のように床があって、柱を立てて、屋根を葺くのではなく、基礎としてのコアから伸びたRC造の二列の梁上に四角いリングを連続させることによって筒を形成する。
四角形の断面は安定性が悪いから、杖材を入れて上部の角に三角形をつくる。これによってすべての部材を軽微な流通製材で構成できた。接合部には微小な応力しか発生しないのでボルトの一本止めとしている。杖材は接合のシンプルさと空間のシンプルさの両観点から断面の小さい鋼板のフラットバーが選ばれた。
建物長手方向の剛性は、仕上げの下地材としての構造用合板で得ることができる。ただしそれを張るためには四角形リングを建てなくてはならず、やはり長手方向のつなぎ材が必要である。そのため杖材のフラットバーのねじ部から鋼棒を延長させ隣のリングに接合するようにし、これを上下交互に連続させながら建方を行う。各部のねじの調整で建て入れ精度を確保することもできる。
構造的には木と鉄のハイブリッドといえるが、鉄は部品レベルにとどめて特別な技術を要しない施工性のシンプルさを目指した。 |
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DATA
プロジェクト名
建築用途
工事予定期間
主体構造
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WARABI COTTAGE
専用住宅
2003年9月〜11月
RC造 + 木造 |
主要仕上げ材料
外部仕上
屋根・外壁
1F
2F
開口部
テラス
内部仕上
床
壁・天井
建築面積
延床面積 |
コンクリート打放し
ガルバリュウム鋼板
現場吹込断熱材t=100
木製ペアガラス
アルミサッシ
木製防腐処理
フローリング
構造用合板CL塗
54.17m2
55.73m2 |
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